行事に参加しよう
岡本寺の坐禅会
平成元年2月、神奈川県南足柄市にある大雄山最乗寺に修行の為、上山しました。始めの数日間、ただ一人、早朝より、ほとんど一日中坐禅させられました。在家出身の私は初めての坐禅で、その足の痛さと、寒さにめげそうになっていました。数日後、入門が許され、当時、十五~六名いた他の雲水との修行生活が始まります。早朝の坐禅より始まり、朝のおつとめ、食事、作務、9時~16時半までは、参詣者を迎えてのご祈祷、夕方のお勤め、夕食、2時間少しの夜の坐禅、そして就寝、(新入りは覚えることが多くて、夜の間に明日の予習や、準備に追われなかなか休めなかった)という単調な日々の繰り返しでしたが、身体がこのペースに慣れてくると、この規則正しさがとても心地いいものになってきました。坐禅に慣れてきた春のお彼岸の頃には、坐禅堂の中から障子を通して夜が明けていくのが分かるようになってきます。すぐ横を谷川が流れていてミソサザイのせわしなげな囀りが聞こえてきます。早朝からお参りされる方が坐禅堂の近くの金剛水という銘水を汲みに来られる足音が聞こえます。私の楽しみは山主:余語翠巌老師の口宣です。静まり返った坐禅堂の中を軟らかな御声が響きます。ほんの2~3分のお話なのですが、禅の様々な言葉をお話し下さいました。それをいただいてさらに深い坐禅を目指しました。瞬く間に夏が来ました。夜坐(夜の坐禅)は19時~21時なのですが、熱心な先輩方々は18時半ごろには坐っておられますので、私もその方々にひかれるようにして、坐っておりました。日が長いころです。坐っていると、坐禅堂の障子が橙色に染まっていくのです。そして、山一面のヒグラシの声、松尾芭蕉の『閑さや岩にしみ入る蝉の声』ではありませんが、身も心も全てがカナカナという声に飲み込まれ、なんとも言いようのない幸せな気持ちになったのです。道元禅師は坐禅は『安楽の法門なり』と仰っておりますが、こういう感じなのかなーと思ったのです。
さて、1年2ヶ月で私は下山しました。そして岡本寺で普通の生活をしながら、檀家回りを始めました。しかし、つらかったけれど、充実していた修行生活が忘れられず、その年の大晦日から「年越し坐禅」をはじめます。それだけでは飽き足らず、早朝坐禅と朝のおつとめ、朝粥を召し上がっていただき、仏教の勉強もするという「日曜早朝坐禅会」をはじめました。まだそれでも飽き足らず、「土曜夜坐」も加わりました。本当は毎日坐りたいところですが、様々なことに追い立てられて時間が確保できず、これだけにとどまっていますが、今の身の丈に合っているように思います。皆さん、坐禅は「安楽の法門」であるかどうか、私と一緒に坐って、体験してみませんか。初めての方も大歓迎です。
日曜早朝坐禅会
- 内容:
- 坐禅(40分)・朝のおつとめ・朝食(お粥を召し上がっていただきます)・仏教の勉強会
- 日時:
- 毎月第4日曜日 6:30~9:30
- 場所:
- 本堂
土曜夜坐
- 内容:
- 坐禅2炷(40分×2回)・経行(歩く坐禅10分)
- 日時:
- 毎月第4日曜日の前夜 19:30~21:00
- 場所:
- 本堂